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会長コラム

2023年04月07日

ホテル代金の高騰に思う

コラム

中国からの入国規制、いわゆる水際対策が4月5日(水)より緩和されました。
来日時の72時間内コロナ陰性証明を不要とし、ワクチン3回以上接種でOKとのこと。
これにより2023年度はコロナ前の3,000万人の訪日客には及ばないものの、2,000万人ほどが予測できるという。

これは特にコロナ禍に大きく影響を受けてきた、飲食やホテルをはじめとした販売サービス業界にとって大きな朗報である。
一方、日本国内では、3月初旬よりマスク着用義務などの対策を段階的に緩めたことや、この春休みの国内移動者が急激に増加したこともあり、国内主要都市のホテルなどは異常な高騰となった。
私自身も3月末の大阪滞在では普通のビジネスホテルにも関わらず1泊3万円(!)もする宿しか空いておらず予約時に愕然とした。

これはつまり、コロナ禍で減った客室と客足と従業員の相関から当然に生み出された市場原理であって、瞬間風速的な現象ともとれるが、心配なのはゴールデンウィークや、バケーション時期などもこれが続いてしまうのではないかということである。

我々人材紹介業界の現場感としては、コロナ禍に販売サービス業界から業界変更した方々(いわゆる労働移動ということになる)が、また販売サービスの現場に戻りたいという話はあまり聞くことがない。
また、新規学卒者についても、一般企業でさえ採用に苦戦している話ばかりであり、販売サービスの現場への供給は多くを望めないのではないか。

となると、販売サービス業界は当然に慢性的な人不足が続き、従業員の給与は上がり続け、それが価格に反映され、さらなる高騰が続くことは想像に難くない。
それはある種世界的な賃上げやサービス価格高騰のトレンドに倣う方向であり、個人的には一概に悪いことだとは思わない。
しかしながら、危惧されるのは価格が高騰するにも関わらず、反比例してサービスレベルが落ちていく可能性があることである。

今、日本はインバウンド旅行者にとって、とりわけ消費面で大変に魅力的な国となっている。日本に空のスーツケースで来日し、抱えきれない商品を自国に持ち帰る方も多いと聞く。
この時こそ、日本が世界に誇るサービスでインバウンド旅行者たちを虜にし、将来的な日本移住や日本での消費を促すべきなのだが・・・・

我々人材紹介業界も、販売サービス従事者のやりがいや魅力などをしっかりと発信し、労働需要に応じた的確なマッチングを行うことで、この好機をバックアップしていかねばと考えている。

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