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会長コラム

2024年04月05日

驕れるもの久しからず

鳥取砂丘に到着した林徹郎会長

鳥取砂丘にて(写真は本文の都市とは関係ありません)

今年も桜の季節を迎えました。
暖冬から一転、終盤に寒の戻りがあったせいか桜の開花は例年よりも遅れましたが、我が家の近所の桜もちらほらと咲き始めています。

さて先日、ある地方都市に行ったときの考察です。
その地方都市は1980年ごろまで若者があふれ活気のある街だったのですが、今は見る影もなく凋落してしまいました。
新しい建築物は建たず、街を歩く人はごくわずか。ただ、車の往来は割と多い。

観光資源はあるのですが、外国人観光客もめっきり見かけない。主要駅を利用しているのは中高生と年配の方ばかり。

その地方都市に限らず、今、日本中でこういった風景は珍しくありません。

その凋落の原因は、公共交通網だったり、教育機関だったり様々な要因があると思いますが一番の原因は、その地域が栄華を誇った時代の産業から抜け出せなかったことだと思うのです。

その産業とは 農業、林業、漁業、をはじめとした第一次産業、製造業や工業などの第二次産業も含まれるかもしれません。
こういった産業に全く罪はありませんが、(もちろん生活をささえる大事な産業です)これらの産業を支える方々の世代交代が進まなかったことにより、それぞれの産業の進歩の遅れや衰退が顕著になったのだと思います。

往時の働き盛りたちは、よかれと思って自分たちの子供を都市部へ行かせました。
そのことによって日本の都市部は目を見張るような発展を遂げましたが、反比例するように地方は衰退し子供たちは快適な都市部にとどまります。

逆に都市部はなぜ発展したのかというと、早い段階から第三次産業、第四次産業に目を向けたからです。
目を向けたというよりも都市部は資源がなかったので、第三次産業等を発展させるしかなかったのです。
小売、飲食、金融、情報通信などがこれにあたるのではないかと思います。

結果、資源のない都市部が、資源豊富な地方を逆転することになりました。
このことが何を示唆するのかというと、今後の展開を視野に入れず、現状に甘んじるものはやがて衰退に追い込まれるということ。
賢者は歴史に学ぶといいますが、源氏物語の有名な一節にあるように、まさに【驕れるもの久しからず】です。

職業紹介業もコロナ禍後は過去最高益の更新、発展を続けていますが、現在の業態ややり方を堅守することはいつか必ず衰退を招きます。

人材紹介会社は専門性が売りになることも多く、なかなか未経験者や新卒者の採用に踏み切れない会社も多いと思いますが若い力を採り込み、彼らの発想やエネルギーをあますことなく活かした進化をして頂きたい、桜満開の春爛漫の季節にそんなことを考えていました・・・。

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